認知発達の段階
1.感覚運動期
2.前操作期
3.具体的操作期
4.形式的操作期
5.後形式的操作期
6.目撃自己アイデンティティ発達の段階
インテグラル理論入門Ⅱp.308
1.感覚運動的ー未分化的
2.呪術的ー衝動的
3.神話的ー体制順応的
4.理性的ー自己脚本的
5.統合的ー多視点的
6.没入的ー目撃
インテグラル理論によると、認知ラインの発達段階を自己アイデンティティの発達ラインが超える事は、原理的に無いらしい。理解出来ない存在になる事は不可能だという意味だろうと解釈している。
上記の表で割り当てられた番号の認知の発達段階が、同じ番号の自己アイデンティティの発達に必要な段階に対応している。
裏返して言えば、自己アイデンティティ(≒世界観)の発達段階を検証すれば、認知(≒意識観)のどの部分がどの段階で止まっているのか、そしてどのような訓練を行えば改善出来るかが、明らかとなるのではないか。
定説では認知機能は子供の頃に完成すると考えられていたが、近年の研究では脳神経には可塑性が有って神経ネットワークを再構成するので、大人になってからでも認知機能の漸進的な改善が期待出来る事が分かった事は、以前の記事でも取り扱った。
これらの6つの段階の内、最初の4つまでは通常の発達理論で取り扱うが、後の2つについてはトランスパーソナルないし準トランスパーソナル段階という事になり、学問的には無視されている領域である。
インテグラル理論は主に5段階目の発達段階にある理論である事を自負しているようだ。一方で、最後の目撃という表現の段階は私にも分かりかねるが、例えば、祈るだけで未知の高度な数式が降りてくるような発達段階の事を指すのだろう。
1の段階は未分化的という事なので、何をされても暴力を振るわれたのと同じような被害者意識を持つレベルとなる。2の段階は衝動的という事なので、思い付いたら善悪を考えずに即行動してしまうレベルとなる。
これらの段階に留まっている者は、所謂、前発達段階の人間であるので、発達心理学的には治療が必要である。
具体的に、どの段階で留まっている場合にどのような訓練を施せば有効であるのかについては、いずれまた別の機会に取り上げようと思う。