死んだ蠅は香料職人の油を臭くし、腐らせる。
コヘレトの言葉10.1
少しの愚かさは知恵や栄光よりも高くつく。
日本の学位制度は海外とは少し変わった点があって、それが論文博士制度、所謂乙博である。博士の学位は国際的な学位の段階の取り決めの中で最高位に相当しており、世界的にはエスカレーター式に上っていくしか方法がない。
にも関わらず、何を血迷ったのか横並び大好きの日本なのに、ちょっと良い論文を何本か出しただけで博士の学位を大開放する制度を作り上げ、現在も続いている。とはいえ、大抵は博士課程中退者の救済用途なのかもしれない。
博士の学位を取る為だけに日本に留学してくる人達も居るらしい。論文博士を日本で取って海外で通用するのかは謎だが、とりあえず形だけ博士の称号を持つ事が出来る。大学受験で言う現役と浪人くらいの差はありそうである。
私は、課程博士だけでなく論文博士が存在する日本に限って、他国との矛盾を擦り合わせる為にもう1種類の幻影の博士が想定しうると考えるようになった。両者の中間的な経歴が有り得ると考えられ、仮に丙博と呼ぶ事にする。
欧米の先進国では、MOOCを通した課程で博士以外は通信で取れるようになった。日本のように結果だけ出せば通るような物でも無いとは思うんだが、一応は日本の博士救済制度に対応する形で生まれたのではないかと考える。
偶然の一致だが、何か一本の光の筋が通りそうな不思議な学歴を手に入れてしまったので、自分に名誉称号でも与えようかという気になった。日本の高等教育機関は入学する方が難しいので中途退学者に対しても手厚い面がある。