粘膜免疫に必要なIgA抗体の産生が保証されていない
査読前論文ではありますが、唾液中の特異的分泌型 IgA がファイザーのワクチンで 59%(22/37)、モデルナのワクチンで 88%(7/8)の被接種者に検出されることが報告されており、mRNA ワクチンでは筋肉内注射にも関わらず粘膜免疫が誘導される可能性が示唆されます。発症予防だけでなく感染予防にも一定の有効性がみられる疫学研究結果を支持する知見と考えられます。
COVID-19ワクチンに関する提言(第3版)〔日本感染症学会〕
上記の引用からも分かるように、新型コロナワクチンを摂取した全ての人にIgA抗体が検出されるわけではない。従って、感染予防効果は担保されておらず、発症予防効果と重症化予防効果のみを持つ事が推定される。
自然感染した場合におけるIgA抗体の持続期間が短い
まだ、症例数は少ないが、私たちの検討では、S1タンパク質およびRBDに対するIgG抗体価は、半年以上経過した症例においても十分保たれていた。その一方で、IgM、IgA、Nタンパク質に対するIgG抗体価は、カットオフ値未満まで低下する症例がみられた。
日本人における新型コロナウイルスIgM、IgG、IgA〔COVID-19有識者会議〕
上記の引用からも分かるように、新型コロナに自然感染した場合であってもIgA抗体は時間経過により消失する症例が多い事が確認されている。従って、ワクチンによって産生されたIgA抗体も速やかに消失する事が推定される。
結論=感染予防効果を持続させるのは難しい
結論としては、ワクチンによって長期間持続する感染予防効果を実現する事は初めから想定されていないと言えるのではないか。