「恋に破れたハートは時が癒やしてくれるが、心臓発作による心筋の痛手は、時間とともにますます悪くなる」
人体再生に挑むp.114
イスラエル・ベングリオン大学生物工学部教授のスマダー・コーエンとテルアビブ大学ニューフィールド心臓研究所所長のジョナサン・レオールは、「サイエンティフィック・アメリカン」2004年11月号に、こんなしゃれた書きだしで、「Rebuilding Broken Hearts」(「心臓再建への道」邦訳は「日経サイエンス」05年2月号)と題するレポートを書いた。
なるほど、癒されることなどないと思った失恋の痛手も、時間という特効薬、あるいは新たな恋という大手術によって、あとかたもなく治癒する。
ところが、現実の心臓はそうはいかない。
基本的に、脳と心臓は再生しないらしい。厳密に言えば、細胞分裂をしないという意味で、一度壊れたら自然に直る事を期待するのは難しいらしい。
引用にあるように、時間や新たな展開で心の傷が癒えるとは限らないが、根本的に認識の行き違いがある場合もあるので気を付けなければならない。