心理学者のマレイ・スタインによると、
第一の意識段階…原初的意識の融合のレベル
第二の意識段階…具体的投影のレベル
第三の意識段階…抽象的投影のレベル
第四の意識段階…投影「消滅」のレベル
第五の意識段階…意識と無意識の統合レベル
の順に意識は発達するそうだ。
インテグラル理論では、クオドラント(四象限)という考え方を用いる。客観的な世界だけに埋没するのではなく、主観的な世界や間主観的な世界に目を向ける意味で、別の視点として強調しているわけだ。
そのクオドラントの考えを用いれば、この直線的な意識の発達過程を丸める事が出来る。第一段階を底面、第五段階を上面として、第二段階が主観的領域、第三段階が間主観的領域、第四段階が客観的領域、に対応すると考えて、螺旋状に発達すると考える。
この考え方では、例えば、「低級」の第四段階と「中級」の第二段階といった階層性が生じてくる事になる。具体的には、どの程度細かい部分まで考えているかで判断出来る筈だが、大筋で誤っていると寧ろおかしな方向にフォークしている事になる。
実際、同じ事をテーマに考えていても、話の次元が違う場合は少なくないように感じるし、投影の対象の種類がその人の意識の段階を直接決定付けると結論付けるのは暴論だろう。
意識の統合水準を形式に落とし込むのは難しいが、底面に近い程、連想の要素が強く、上面に近い程、論理の要素が強いと分類して考えたので良いだろうか。
断っておくと、「高級」だから優れている事を意味しているわけではなく、ただ単にどういう風に適材適所を実現するかを、問題にしているだけである。
入門の範疇の話ではないんだが、暇なので何となく考えてしまった。