今回の主題は、自己認識の鍛え方である。自己認識はEQの核を成す要素であり、とても重要である。
自己認識とは何か?
心理学者のダニエル・ゴールマンによると、自己認識の定義は、
「自分の気持ち・好き嫌い・向き不向き・直感を把握する事」
である。
EQについては、以下の記事を参照。
自己認識を構成する3つの要素
ダニエル・ゴールマンによると、自己認識は3つの要素から構成される。
眠る情動の自覚…自分の身体の情動に気付く事
・自分の情動を明瞭に捉える
身体に溜まっている無自覚の情動を、自覚する
・自分を第三者の視点から眺められる
情動を自覚する事で、一歩引いて自分を観察出来るようになる
訓練方法:ボディスキャン
正確な自己評価…自分の長所と短所を知る事
・自分の限界について正直になれる
自分に出来る事と出来ない事の差が、はっきり分かるようになる。
・自分の目標がはっきりしている
自分の能力を自覚する事で、何をすべきかが分かるようになる。
訓練方法:ジャーナリング
根拠のある自信…自分の経験値を信じる事
・ありのままの自分がしっくりくる
経験に裏打ちされた価値観を持って実践する事で、自己肯定感が高まる。
・情動経験について客観的になれる
揺るぎない価値観を持つ事で、余裕を持って他の考え方を検討出来るようになる。
訓練方法:モーショニング
自己認識の鍛え方
ボディスキャン
安定した姿勢(通常は座位)で自分の体の各部分に注意を向ける作業をする。注意を向け続ける事によって感覚が生まれて繊細になり、神経の可塑性を活用した変化の原動力となる。
ジャーナリング
何か特定のテーマ(人生全般にまつわるものなど)について、自分の考えをひたすら書き出す作業を行う。書く事に注意を向け続ける事が重要なので、何も思いつかなくても筆を動かし続ける必要がある。
モーショニング※造語
自分や相手が行っている動作に注意を向ける。作業する際に手を動かしているなら手先、口を動かしているなら口先など。変化し続ける所作に注意を向け続ける事で、目の前の作業に対する苦痛が減少し、物事を達成しやすくなる。
まとめ
生理的に自己認識を鍛える事は可能である。自分に合った方法を見つけて実践すると良い。要諦は、注意力を養う事である。